簡易トイレの備蓄は何回分必要?1人1日5回で計算しました
内閣府が示す「1人1日5回」の排泄回数をもとに、日数・人数別の必要回数と、市販パック(20〜120回分)への換算を計算しました。
答え 1人3日分 15 回分
PR 本記事にはアフィリエイト広告(PR)が含まれます。
簡易トイレの備蓄は、水や食料と違って「何回分」という単位で考える必要があります。 何本、何パック買えばいいのか、リットルのような分かりやすい目安がないため後回しにされがちです。
結論を先に書きます。必要回数は「1人1日5回 × 日数」で計算できます。 1人3日分なら15回、7日分なら35回。4人家族の7日分なら140回です。 この回数を、市販パック(20〜120回分)にどう当てはめればよいかまで計算します。
1人1日5回 × 3日
15回分
内閣府「避難所におけるトイレの確保・管理ガイドライン」(令和6年12月改定)の計算式による。
結論から:1人3日分なら20回パック、7日分なら50回パック
内閣府(防災担当)の「避難所におけるトイレの確保・管理ガイドライン」(令和6年12月改定)は、 携帯トイレ・簡易トイレの必要数を次の式で示しています。
1日あたり必要な便袋数 = 想定人数 × 5回
備蓄目標数 = 1日あたり必要数 × 日数
「排泄の回数は5回が平均的である」という記述にもとづく計算式で、 経済産業省や神奈川県の公式ページも同じ「1人1日5回」を前提とした数字を示しています。
この式に日数と人数を当てはめると、必要回数はこうなります。
| 人数 | 3日分(必要回数) | 7日分(必要回数) |
|---|---|---|
| 1人 | 15回 | 35回 |
| 2人 | 30回 | 70回 |
| 3人 | 45回 | 105回 |
| 4人 | 60回 | 140回 |
帯の長さは、表のなかで最も多い「4人7日分=140回」を1として揃えています。 人数が1人増えるだけで必要量がどれだけ増えるかは、数字より帯のほうが早く分かります。
市販パックへの当てはめ方
市販パックは20・30・50・60・100・120回分あたりが主流です。 必要回数をパックに当てはめると、次のような組み合わせになります。
- 1人3日分(15回) → 20回分パックを1個
- 1人7日分(35回) → 50回分パックを1個
- 4人3日分(60回) → 60回分パック、または30回分パックを2個
- 4人7日分(140回) → 100回分パック+50回分パック、または30回分パックを5個
パックの回数はあくまで販売単位なので、多少の余りが出るのが普通です。 余った分は次の備蓄の入れ替え時にそのまま使えるため、無駄にはなりません。
何日分を用意すべきか
内閣府ガイドラインは携帯トイレの備蓄目標について「まずは3日分を目標にしましょう」としています。 経済産業省は「1人あたり35回分(7日分)の備蓄が必要」とし、内閣府「防災の動き」も 1週間分(1人35回分)を推奨する具体例を示しています。
水や食料の備蓄が「最低3日分、できれば1週間分」とされているのと同じ考え方です。
- まず3日分から始める — 収納スペースが限られる、初めて備蓄する場合
- 7日分を目指す — 収納に余裕がある、支援が届きにくい地域に住んでいる場合
3日分で止めるより、まず15回分(1人あたり)を確保してから、 余裕を見て50回分パックに買い替える・買い足すほうが現実的です。
「回数を減らして節約」はしないほうがいい
内閣府ガイドラインは、断水でトイレが使いにくくなると、 排泄を我慢することが「水分や食品摂取を控えることにつながり、 栄養状態の悪化や脱水症状、静脈血栓塞栓症(エコノミークラス症候群)等の 健康被害の要因となる」と説明しています。
つまり、災害時に回数を意図的に減らすこと自体が健康上のリスクとされています。 「1人1日5回」という数字は平常時の平均であり、それを我慢させないために 確保しておくべき量だと理解しておくとよさそうです。
なお、下痢や体調不良、高齢者・乳幼児がいる世帯では回数が増える可能性がありますが、 その上乗せ分を数値で示した公的な資料は確認できませんでした。 気になる場合は、市販パックを1つ多めに用意しておくか、 自治体の防災担当窓口に確認することをおすすめします。
凝固剤・処理袋の保管期限
神奈川県の公式ページは、凝固剤タイプの簡易トイレについて 「10年〜15年の長期保管できるものもあります」と紹介しています。 ただしこれは自治体が一例として紹介しているもので、 すべての製品に当てはまる法令上の基準ではありません。
商品ごとの保存年数はメーカー・製品によって差があります。 「15年保存」などの表示がある商品でも、実際の使用期限は パッケージに記載の製造年月日を基準に判断してください。 最新の情報はメーカー公式サイトでご確認ください。
よくある誤解:トイレットペーパーがあれば代用できる
水洗トイレが使える前提であれば、トイレットペーパーだけで足ります。 ただし断水時は、水を流せないため通常のトイレはすぐに使えなくなります。
簡易トイレ(便袋+凝固剤)は、この「水が流せない状態」を想定した備蓄です。 水の備蓄とは目的が異なるため、どちらか一方では代用できません。 水・食料・トイレは、それぞれ別の計算式で必要量を出しておくのが基本です。
水の必要量の計算方法は、一人暮らしの備蓄水は2Lで何本?日数別に計算しました で人数・日数別にまとめています。
まとめ
- 必要回数は1人1日5回×日数(内閣府ガイドラインの計算式)
- 1人3日分=15回、7日分=35回。4人家族7日分=140回
- 市販パックは20〜120回分が主流。回数から逆算してパックを組み合わせる
- 「我慢して回数を減らす」のは健康リスク。平常時の回数で計算する
- 凝固剤の保存年数は商品差がある。パッケージ表示と公式情報で確認する
備蓄量の考え方や最新の情報は、内閣府や経済産業省の公式ページでも確認できます。 当サイトの免責事項もあわせてご確認ください。
参考にした情報源
全4件のうち4件 が公的機関の公開資料です。