アレルギー対応の非常食の選び方。1人42食と29品目表示の読み方
食事に配慮が必要な人の備蓄量は農林水産省が「少なくとも2週間分」=42食。2026年4月から表示義務9品目・推奨20品目の計29品目になり、「28品目不使用」表記との差はピスタチオ1品目です。一次情報で整理しました。
答え 食事に配慮が必要な人 42 食 1人2週間分
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「アレルギー対応の非常食は28品目不使用を選ぶ」——この説明は、2026年4月1日の食品表示基準の改正で1品目足りない表記になりました。
食事に配慮が必要な人の備蓄量として、農林水産省は「少なくとも2週間分」を挙げています。1日3食なら42食。以下は法令原文・消費者庁Q&A・メーカー公式サイトを整理した結果で、当チームは製品を試していません。除去の可否や食べられる量は医療上の判断です。主治医と製品の最新表示でご確認を。
3食 × 14日
42食
農林水産省「食事に配慮が必要な方には、少なくとも2週間分」にもとづく当サイトの計算。
結論から:義務9品目なら表示で分かる、推奨20品目は分からない
- 量 — 一般向けは最低3日分〜1週間分。配慮が必要な人には「少なくとも2週間分」=42食(農林水産省)
- 表示 — 義務の特定原材料が9品目、推奨の「準ずるもの」が20品目で計29品目(2026年4月から)
- 手間 — 義務側は原材料表示で分かる。推奨側は、書かれていない=使っていない、ではない
「28品目不使用」は2026年4月から1品目足りない表記になった
実質の差はピスタチオ1品目
食品表示基準(平成27年内閣府令第10号)別表第十四が掲げる特定原材料は、えび・カシューナッツ・かに・くるみ・小麦・そば・卵・乳・落花生の9品目。これに消費者庁次長通知の「特定原材料に準ずるもの」20品目を足し、Q&Aは「現在、特定原材料等は29品目あり」と書いています。
改正で動いたのは2点です。カシューナッツが推奨側から義務側へ移り、推奨側にピスタチオが加わりました。カシューナッツは28品目の時代も推奨側で対象範囲に入っていたので、「28品目不使用」と「29品目不使用」の差はピスタチオ1品目です。「2品目分あやしい」と読むのは誤りになります。
カシューナッツは2028年3月末まで旧表示のまま流通しうる
改正内閣府令(令和8年内閣府令第34号)の附則第2条は、令和10年(2028年)3月31日までに製造・加工・輸入される加工食品(業務用加工食品を除く)などの表示について「なお従前の例によることができる」と定めています。
長期保存食は5年保存が主流です。この期間に製造された在庫は、2028年4月以降も棚に残ります。周期は非常食は年に何食入れ替える?で計算しました。
メーカーの表記も揃っていない
2026年8月14日に各社の公式サイトを確認しました。
| メーカー | 表記 | 29品目への追随 |
|---|---|---|
| サタケ(マジックライス) | 商品ごとに29マスのアレルゲン表 | 更新済み |
| アルファー食品(安心米) | 「特定原材料等(28品目)不使用」 | 冒頭に注記 |
| 尾西食品 | 「特定原材料等28品目を使用しておりません」 | 確認できず |
アルファー食品はページ冒頭に「※令和8年4月1日に消費者庁より発表された特定原材料等29品目は使用しておりません。」と注記。尾西食品はFAQも「合わせて28品目…(2024年2月現在)」のままで、「特定原材料等27品目 不使用」の規格PDFも残ります。品目数ではなく、各社が列挙する対象範囲の内訳を見てください。
自分のアレルゲンが義務側か推奨側かで、確認の手間が変わる
表示義務がかかるのは容器包装された加工食品です。義務の9品目なら原材料表示で分かります(カシューナッツは前述の経過措置つき)。問題は推奨側です。
推奨の20品目は「書いていない=使っていない」ではない
消費者庁Q&A(E-23)はこの点を正面から書いています。「特定原材料に準ずるものについては、表示が義務付けられておらず、その表示を欠く場合、アレルギー疾患を有する者は当該食品が『特定原材料に準ずるものを使用していない』又は『特定原材料に準ずるものを使用しているが、表示がされていない』のいずれであるかを正確に判断することが困難となっています」。
そのため消費者庁は事業者に、対象範囲の表示を一括表示枠の近くに書くよう努めることを求めています(例示は「この食品は29品目のアレルゲンを対象範囲としています。」)。努力義務なので、書かれていない商品もあります。
令和6年度の実態調査(即時型症例6,033件・消費者庁)の内訳です。
| 原因食物 | 割合 | 表示区分 |
|---|---|---|
| 鶏卵 | 26.7% | 義務 |
| くるみ | 15.2% | 義務 |
| 牛乳 | 13.4% | 義務 |
| 小麦 | 8.1% | 義務 |
| 落花生 | 7.0% | 義務 |
| いくら | 5.7% | 推奨 |
| カシューナッツ | 4.6% | 義務 |
| 大豆 | 1.3% | 推奨 |
| マカダミアナッツ | 1.1% | 推奨 |
帯は最大の26.7%を1として揃えました(えび3.0%・キウイ1.3%・そば1.1%・かに0.4%は省略)。症例数で6番目のいくらは推奨側です。該当する人は原材料表示だけでは足りず、メーカーの対象範囲表示か問い合わせが要ります。
「使用していない」は「含んでいない」ではない
製造ラインからの意図しない混入(コンタミネーション)の注意喚起は「原材料表示欄外にその旨注意喚起をすることが望ましい」とされ、義務ではありません。混入頻度と混入量が低いものは注意喚起表示の必要はないとの整理もあります。注意喚起が無い=混入可能性ゼロ、ではありません。
メーカーの説明も同じです。尾西食品は専用の作業場と専用包装機について「アレルギー物質混入の恐れはきわめて小さくなっております」と書き、ゼロとは書いていません。
何食を専用食で持つか
避難所の炊き出しには表示義務がかからない
Q&A(I-7)は「外食等については、現在、アレルゲン情報の提供は義務付けられていません」と明記しています。内閣府の取組指針(令和6年12月改定)も自治体にアレルギー用の白米やミルクの備蓄を求めていますが、指針であって義務ではありません。日本小児アレルギー学会も自治体向けの提案(2018年12月改訂)で「アレルギー用アルファ化米が通常のアルファ化米に紛れて提供され、必要とするアレルギーを有する者に渡らなかった事例がある」と記しています(災害名・件数の記載なし)。家庭で持つ理由はこの隙間にあります。
21食から始めて42食まで
農林水産省は一般向けに「最低3日分〜1週間分×人数分」、配慮が必要な人には「食物アレルギー対応食品を含む特殊食品は手に入りにくくなります」として「少なくとも2週間分」を挙げています。1週間なら21食、2週間なら42食。尾西食品の希望小売価格なら、アレルギー対応五目ごはん518円(税込)で21食10,878円です。まず21食を揃え、入れ替えのたびに42食へ寄せる順序が現実的です。
同じ商品名でも中身が違うことがある
尾西食品の一覧では、通常の「尾西の五目ごはん」は小麦・大豆を含み、「えび、かに、乳成分、鶏肉、豚肉、ゼラチンを含む製品と同じ包装室で包装しています」と注意喚起。「アレルギー対応五目ごはん」は28品目不使用と明記されています。名前が似ていても別の製品です。
白飯も同じです。個食に注意喚起の記載はありませんが、「アルファ米炊き出しセット白飯50食分」には「小麦、大豆、鶏肉、豚肉を含む製品と同じ包装室で包装しています」とあります。セットは中身の構成が違うので、1つずつメーカー公式で確認してください。
熱源が無いときは水で60分
尾西食品・アルファー食品・サタケの3社とも、アルファ米の戻し時間を熱湯15分・水60分と公表しています(水は15℃前後が前提)。これを下回る水温での時間は示されていません。冬の断水を想定するなら湯を沸かせる手段も要ります(尾西食品のFAQは、鍋なら「およそ10分」に短縮できるとしています)。本数はカセットボンベは何本備蓄する?で計算しました。白米タイプは5年保存・1食380円前後(税抜)からです。
まとめ
- 目安は2週間分=42食(農林水産省)。まず21食から始める
- 表示は義務9品目+推奨20品目=29品目。「28品目不使用」との差はピスタチオ1品目。カシューナッツの経過措置は2028年3月31日まで
- 「使用していない」は「含んでいない」ではない。推奨側は表示の有無で判断できない
本記事は2026年8月14日時点の整理です。表示制度も製品の仕様も変わります。購入前にメーカー公式の最新のアレルゲン情報を製品ごとに確認し、除去の判断は主治医にご相談ください。
参考にした情報源
全19件のうち9件 が公的機関の公開資料です。
- 食品表示基準(平成27年内閣府令第10号)別表第十四(第三条関係) | e-Gov 法令検索
- アレルゲンを含む食品に関する表示について(令和8年4月1日事務連絡) | 消費者庁食品表示課
- 食品表示基準Q&A 別添 アレルゲンを含む食品に関する表示(令和8年4月1日版) | 消費者庁
- アレルギー表示について(令和8年4月時点) | 消費者庁
- 食品表示基準の一部を改正する内閣府令(令和8年内閣府令第34号)新旧対照条文・附則 | 消費者庁
- 食物アレルギー表示に関する情報(お知らせ) | 消費者庁
- アレルギーの方こそローリングストック! | 農林水産省 家庭備蓄ポータル
- 災害時に備えた食品ストックガイド(1) | 農林水産省
- 避難生活における良好な生活環境の確保に向けた取組指針(令和6年12月改定) | 内閣府(防災担当)
- 大規模災害対策におけるアレルギー用食品の備蓄に関する提案(2018年12月改訂) | 日本小児アレルギー学会
- 災害時のこどものアレルギー疾患対応パンフレット(平成29年11月改訂) | 日本小児アレルギー学会
- マジックライス 保存食シリーズ(アレルゲン表・調理時間・価格) | サタケ
- 食物アレルギーへの取り組み | アルファー食品
- ご家庭での備蓄食品について(安心米の仕様・戻し時間・価格) | アルファー食品
- アレルギー情報一覧 | 尾西食品
- よくあるご質問 | 尾西食品
- 製品規格 | 尾西食品
- 商品情報 アルファ米(作り方・注水量・戻し時間) | 尾西食品
- 尾西食品の取組み(アレルギー対応製品への取り組み) | 尾西食品